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  • 2017.02.06
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「公益資本主義推進会議白熱教室」〜世界を変える日本流働き方改革〜 講演録はこちら!!

1月21日(土)16時30分より、国立京都国際会館 ROOM D にて
「公益資本主義白熱教室」〜世界を変える日本流働き方改革〜が開催されました。
今回は、講演を聞くことができなかった皆様に今回の講師、原丈人氏の講演内容と
来場者の白熱教室の様子を講演録としてまとめましたのでぜひ一読ください。

 

司会:例題についてそれぞれお手元の青と赤の紙を使って皆さまの意見を表明してください。講師はこれ以降原先生とお呼びいたします。また原先生からのご質問に対してご意見をお持ちの方は挙手にてお願いいたします。それではこれより公益資本主義白熱教室を開講いたします。原先生よろしくお願いいたします。それでは先生自己紹介のほうをお願いいたします。


講師:
私は原丈人、みんな顔が見えるほうがいいですよね。ちょっと立ちますね。私原丈人、日本人ですけども若い頃にもう海外に出ました。考古学に大変関心があって、マヤ文明のいろんな文化をつくった民族移動経路を追い掛けてエルサルバドルとか、グアテマラとか、ホンジュラスだとか、そういった中央アメリカの国に若くして。それからずっともう海外です。考古学の研究を27歳までしておりましたが、その考古学の研究資金が必要となったので事業を行って、その事業資金で上げた利益を使って研究しようと思ったもんですから、27のときにアメリカに渡り29歳でシリコンバレーで光ファイバーの事業会社を自らつくりました。

 この会社は大変な苦労もありましたけども、最終的には成功して1985年以降は私の関心のある考古学に関係の深い技術開発を行ってる会社に資金を投下し自らが取締役や社外役員、会長候補となっていくつもの会社をアメリカ、そしてイギリス、イスラエルといった地域でつくることに成功しました。
 企業経営は2000年ぐらいまでは中心で行っておりましたがそれ以降は企業をつくるといったことから制度をつくるというふうに関心が昔からあったもんですから企業経営者のまま時間は徐々に公的な分野に使うことを増やしていきました。
 日本政府では、2005年から現在に至るまで、外務省の参与ですとか内閣府参与といったことを受けております。またヨーロッパ等々からも、国連の政府間機関の特命全権大使で外交活動ですとかそれからまたアフリカにおいてもザンビアの大統領と、また現在はアメリカ政府においても共和党のビジネス•アドバイザリーの議長といったようなものを受けて制度設計を行っていることを起業家の目線から全世界に発信します。
 今日日本に帰ってきて皆さんと会うのを楽しみに帰ってまいりましたんでこの1時間みっちり何でも聞いていただければと思っております。じゃあ皆さん、今日はよろしくお願いします。

司会:原先生、ありがとうございます。それでは、さっそく、第1問目にまいりましょう。第1問、「会社は誰のもの?」となります。株主のものだと思う方は赤の紙を、社長のものだと思う方は青の紙を上げてください。ありがとうございます。赤色の紙が目立つようですね。それでは、原先生、お願いできますでしょうか。

講師:会社は株主のもんだっていうふうに考える考え方は一つの考え方として正しいかもしれません。しかし、先ほどの全体の会議のときも話をしたようにこれを株主の考え方を持ってる人たち、株主の立場の人たちが公益資本主義的な考え方を持っていない場合には、単に株主の利益を短期的に最大化することが一番正しいというふうな考え方を経営者に実行させることになりますので、先ほど話したような事態ですね、中長期の考え方は失われていくし、また株主の人たちが自分の利益のために会社を一番支えてくれてる従業員に対しても、非常に道具のような扱いをするようになったりするんです。
 ですから、これはどっちがいいのかっていう考え方というよりは、どっちのほうを信じるかというこれはいろいろな宗教でもいろいろは教義を信じるのも同じでありますが、米国や英国を中心とする国々が会社は株主のもんだって強く信じて、実行していく。
 私自身も先ほど話しましたように、考古学からビジネスを行うときにビジネスのやり方がさっぱりわからなかったので、アメリカのスタンフォード大学というところのビジネススクールでMBAのコースを勉強しましたが、会社は株主のもんなんていうことを刷り込もうとしている傾向が非常に強いんですね。
 でも私はそれをいいとは思いませんでした。まあ、ただ徹底的に洗脳するのがアメリカのビジネススクールでありますので、そういったところを卒業してしまって米国の経済界やWall streetで活躍している人たちはどうしても会社は株主のもんだと。
 したがって株主の利益を最大化するために、すべての会社を成立させてくれる社員は道具に過ぎないっていうふうな考え方をしてしまいます。例えば、日本ですと会社は株主のもんだというふうに手を挙げた人でも、社員に対する教育は投資だと考える人が多いでしょうけど、社員に対する教育は投資だという考え方はアメリカにはありません。社員の教育は経費だと。だから経費だからコストを削減したほうがいいという考え方を持っています。
 日本でも会社は株主のもんだっていうと、例えばサントリーだとか竹中工務店みたいに、ワンファミリーでもって非上場ですべて会社は株主が持っているという考え方の会社もありますけども、そういった会社のオーナーと話をしてみると株主資本主義とは違う考え方を持っているのがよく分かると思います。
 最初に自分があるんじゃなくて残りものを我々株主が分けてもらいます。これは、皆さん方が会社をつくったときの最初の精神にも通じるところがあると思います。
 私も光ファイバーの会社をつくったときに、まず社員の給料を払ってそれで家賃を払っていろいろな経費や材料費を払って、余ったものを経営者であるまた大株主である私がもらう。こういうふうな考え方を違和感なく持っておられる人たちは日本のなかには多いでしょうけど、米国の中においては逆ですね。株主が一番先に取るんであって余ったものはみんなで分けると。これは主客転倒というふうにいわれている考えのように思います。
 先ほども話したようにこうした考え方を徹底的に追求していく経営者が、何百何千、何百万と世界中に蔓延していくと、時間をかけて行うような事業というものはもう経済合理性のあるものではないと効率が悪い事業であるというふうにまあ担当者は捨てていくことになるわけです。


 ですから、90年代に、イギリスから製造業っていうのは完全に消えてしまいまして、金融、ビッグバン等々に代表される、金融を中心とする国になりましたけれども、こういった国が現在どうなってるかなといったところを見た場合、また、米国においても、Wall Streetが非常に大きな影響力を持ち、会社は株主のもんだという考え方を持ってる社会的サラリー等々を、いろいろなメーカーというものに派遣ことによって、デュポンみたいな大きな化学会社に、これは、かつては1兆円以上の研究開発費を使っていましたのに、もう資金も、3分の1は5年以内の研究開発、3分の1は5年から10年、また3分の1は10年以上かかるような研究開発費に資金を使っていても、株主の利益を最短で最大化するっていう考え方なんで、中長期の研究開発はしないほうがいいっていう形になり、どうなったかというと、もう研究開発はしない会社になり、結局、M&A、似通ったものを買収するだけということです。
 去年の1月には、ダウ•ケミカルという会社という会社と合併することになりましたが、この巨大化学会社は、やがては世界から消えていくでしょう。こういうことが積み重なっているのが、株主資本主義。
 じゃあ、会社は株主のもんだというふうにいうのが、一つの哲学として正しいと考えるものを追求していくと、だんだん世界が荒廃していくというふうに私は感じます。
 ですから、どちらが正しいかという考え方を議論するより、それを追求すると、近い将来、一体どうなるかと。世界的には中産階級層が少なくなって、貧困階級と、一部の、極端な財閥だけが生まれるような社会っていうものはいいのかと。
 会社の場合でも、会社は株主のもんだという考え方を持ちながらも、株主であるオーナー経営者が、社員を豊かにするといった強い信念を持っていれば、今、これは公益資本主義の考え方を実行している、そういった理念の下にある株主であり、経営者、オーナーであるというふうにいえると思いますが、単にファンドのマネージャーのように短期的な利益を追求して、いったん取れるものから取るだけ取ってしまえば、会社はつぶれてもいいというふうな考え方をしている人たちが、圧倒的多数を占める、こういった米国の考え方をしてる人たちが多いのものが、日本に入ってくることは、私は良くないと考えています。
 あと、いろいろ質問もあるでしょうから、私の見解だけをお話しておりますが、赤い札を入れた人、青い札を入れた人、質問とかない? ありますか。ここでやるのかな。司会の方にお任せしますけど。

司会:それでは、ここで今までの原先生のお話を踏まえまして、原先生にご質問のある方、いらっしゃいますでしょうか? なかなか、手を挙げづらいでしょうかね。はい。

来場:ありがとうございます。滋賀県の草津青年会議所から参りました岸と申します。先ほどの話も踏まえまして「会社は誰のもの?」っていうところで、株主もしくは社長もしくは従業員とかそういった話感覚としてはすごくわかるんですけども、我々青年会議所のメンバーの多くの方々がおそらく株主兼社長の方がすごく多いのかなと思います。
 そういった方々と従業員の方もしくは地域の方そういった方々に対して、どういった形で実際にじゃあ会社は誰々のためだからこういうふうにしていこうっていうのを、実際にどういうふうに行動といいますか事業のほうに結びつけていけばいいのかなというのを、教えていただければと思います。

講師:もう難しい話じゃなくて、会社が儲かりだしたら豊かな従業員を作る会社にすればいいんですよ。それがもう一番簡単。だからオーナー経営者は自分の社員がほんとに豊かになるような経営を目指すんだと。
 それから、また会社のVSOP運動じゃありませんけれども会社の本業を通じて社会に貢献するといったことを日々続ける。米国の起業家のFacebookだ何だかんだといっぱい儲けていると思いますけれどもそういった人たちっていうのは、億万長者になってから社会貢献するのが一般的なんです。
 そうじゃなくて会社が小さい規模のときから、また日頃から社会に対する貢献・恩返しをどうするかっていったことをできるようになるのが日本の経営者の良さでしょうからこういったものを実践する。
 世界においてもそういった考え方のほうが受け入れられる時代に今入ってきてると思います。

司会:はい、ありがとうございます。他にもご質問ある方、いらっしゃいますでしょうか。ありがとうございます。

来場:北海道江別青年会議所のタカモトと申します。自分は会社の社長の帳簿を見る会計事務所をやってるんですけど、今現在会社法としては株主は最終決定権を持ってるってことでこの公益資本主義の考え方を通すとなると法改正って必要なのかなって思うんですけどその点についてはどう思われますか。

講師:法改正っていうことまでは必要はないと思います。これは哲学の問題ですから会社でありオーナーであり会社のオーナーであり、なおかつ経営者である人たちの理念の問題ですねそこから入っていくほうがいいと思います。
 もちろんドイツの会社にあるように、取締役会の監査部会があるように役員会の決定を監査部会が覆すことができるのか世界各国の会社は全部さまざまに違いますから、会社法で統括するというよりは会社は社会に対して社会の公器であると日本にはこんなに短くて世界の普遍性を語る言葉はないと思います。そういう解釈をどうやってするかというふうにしたほうがいいと思うんです。
 というのは法律とか改定基準だとか会社法だとか税制だとかそれぞれの国々の文化だとか伝統だとか汎神論とかやり方というのは全部一つに統一することはできないんですね。
 ですから、そういったものを考えた場合に私は理念だけをしっかりと理解しておいてその表現だけはそれぞれの地域また国そしてその時代によって変えていけばいいと思います。

来場:ありがとうございました。

司会:ありがとうございました。原先生、またご質問いただきました方、ありがとうございました。それでは、第2問に進みたいと思います。皆さま、ぜひ積極的なご意見をお願いいたします。
 それでは第2問、「開発途上国の発展に必要なこととは」。働く仕組みづくりだと思う方は赤の紙を、ODAなどの資金援助だと思う方は青の紙をお願いいたします。はい、圧倒的に赤が多いですね。それでは、皆さん、ちょっとそのままでいていただいてよろしいですか。ありがとうございます。


 それでは、今回は青のご意見が少ないようですので、青の紙を上げていただいた方からご意見を頂戴したいと思うんですけれども、お話ししてくださる方はいらっしゃいますか? 述べていただいて大丈夫です。ありがとうございます。
 青の紙を上げた方で、どうしてそのように思われたのか、ご意見をぜひ賜りたいのですが。お話ししてくださる方いらっしゃいますか。ないのであれば大変申し訳ございません。ご指名をさせていただきます。前から5列目ぐらいの、青の紙を上げた方。ありがとうございます。

来場:大阪の税理士のイケダです。よろしくお願いします。僕個人で仕事をやらせてもらってるんですけれども、仕組みづくりよりも何よりも資金がないと次に進めないんですよ。なので現地の人にも現金を見せてあげたら動く目的が見えるから動くのではないかなと思って青を上げさせてもらいました。

司会:ありがとうございます。それでは赤の紙を上げられた方からもご意見をお伺いしたいと思いますがどなたが発表してくださる方、いらっしゃいますでしょうか? ありがとうございます。一番前の方にマイクをお願いいたします。

来場:福岡青年会議所の頭山と申します。原先生よろしくお願いいたします。必要なこととしては働く仕組みづくりということで赤い札を上げさせていただいたんですけれども、よく発展途上国に対して教育か資金等についてまず魚をとるには魚を与えることではなくて魚のとり方を教えることが途上国に対して必要なのではないかという考え方があると思いましてそういった部分で赤の札を上げさせていただいた次第です。

司会:ありがとうございました。皆さま盛大な拍手をお送りください。ありがとうございます。では今の青の紙を上げてくださった方、赤の紙を上げてくださった方お一人ずつのご意見を踏まえまして、原先生お願いできますでしょうか。

講師:世界の人口70億人が100億人にこの今世紀でなります。30億人増えます。そのほとんど全部はアフリカから出てきています。このアフリカの人たちの状況を見てると、貧困というのは一人頭1日あたり1ドル25セント、125円ぐらい以下の所得しかない人たちを貧困層と呼んでますけれど、じゃあこの人たちに対して一体どうすればいいのか。貧しいから援助しようといったときに西欧の人たちは大体三つのパターンを考えます。
 一つはODAによる政府の支援。もう一つはNPOとかNGOとか宗教団体とかの寄付による支援。資金を援助して学校をつくったりいろんなことをやっていこうとするわけでありますけれども、先ほどの2人目のお話じゃありませんけども与えられてすでにつくられたものばかりあるとなかなかうまく回っていかない。
 ずっともらいっぱなしになるといってみればもらうほうは乞食ですよね。自立化しないことにはこれはうまくいきませんので私はこの三つ目の方法というのを自分で考えてつくったのが2005年なんです。
 これは会社を途上国につくって上げた利益、だから従業員は全部現地の人たちが働くわけでありますけれども上げた利益を使ってその利益の40パーセントをその国が一番貧しい問題となっている教育ですとか医療といった分野に使えるような事業体をつくったんですね。
 これは株主資本主義の立場から考えられないので、アメリカ人はそんなことはありえない。株主利益を5パーセントならわかるけど4割も地元に還元するなんてとんでもないという考え方も多かったんですがやってみればこれはうまくいくんですよ。
 やっぱり従業員は身近な人たちの中に親戚がとか友人の中には字が書けない、字が読めない識字率が5割なんていうのもたくさんありますから、そうしたところに自分たちが働いたお金が回っていくなんていうと働き甲斐が給料以外に自分の国を良くしてるんだという意識に変わっていきますと、普通の給料だけ追求するアメリカ人よりも給料プラス自分の地域社会や国を良くしていくんだという考え方を実行できる。そこまで芽生えなきゃだめなんですけれども意識が高まります。


 こういうふうにして公益資本主義型の事業のつくり方というものを、アジアやアフリカなどで今つくっているんですがこういうものを2005年に始めてから約500以上の会社がこういった形をまねて入るようになってきました。
 それから、仕組みをしっかりつくって自分たちで自分たちの問題を解決するという流れをつくってあげたほうが、いつまでも与えるというやり方よりは私は問題の解決につながっていくように思っています。

司会:ありがとうございます。では先生ここで以前もお伺いしたんですが、バングラデシュのザンビアのお話を頂いてもよろしいでしょうか?

講師:今してしまいましたけれども、それはバングラデシュやザンビアの例なんですね。そういった具体的な活動の中でザンビアでやろうとしているのは、この30億人の人口がこれから増えると言いましたけれどもアジアは中国等々の少子化で今は人口多いですけれども伸び率からいうとこのグラフを伸ばしていくとアジアの伸び率よりはアフリカが圧倒的に伸びるんですね。
 30億人の人の90数パーセントは貧困層です。それは図にありますけれどもあまり見なくとも話だけ聞いといていただければ。貧困層なんですけれどもこの貧しい人たちのうち、貧しいお家に生まれた方々のうちのなんと約40パーセントがスタンティングという英語、これは皆さんも覚えておいてください、スタンティング、発育不全、これを1歳、2歳の間に解消しないことには、脳の発達障害。だから身長が伸びたり体重が増えたりするだけじゃなくて脳が発達しないわけですね。
 そういう状態で5歳まで放置されるとそれ以降になってからいくら栄養食品を食べたとしても脳の発達が十分になりませんから、16歳、17歳、18歳と大人になったときに単純労働しかできないような状況になるんですね。こうなると教育を受けても遅すぎますよね。
 ですからこのスタンティングということ、5歳児以下できれば2歳までの間に受けれる栄養不良の削減栄養不良による発育不全というものをなくすといった活動を今ザンビア等々で行っています。
 これをやらないと、先ほども話したように貧困階級層が非常にたくさん出てくると。そして大人になっても単純労働しかできないような状態でありますから30億人のうちの90パーセントの貧困層の4割、十数億ぐらいの人たちが貧しいままで一生を送りますよね。
 そのときに、ナリジェリアのボコ・ハラムとかいろんなテロリストたちがいますけれど彼らは1日あたり20ドルだとか。だから1日125円ぐらいしか稼がない人たちに対して2,000円だとか2,500円という日給でもってリクルートしてそして人を殺させると。その相手として誘拐をしたりいろいろな犯罪を起こしていると、こういうことになるのもアフリカの中においては社会的に不安定な巣窟になっているのはこの地域になると思うんです。
 ですから、そうならないようにするためには栄養不良の削減を行っていくといった運動もやっていこうと。これは国連のSDGs 等々の目的でもあるんですが、私も国連の政府間機関の特命全権大使をやった経験から国連はお題目は言うけれども実際には何もできないといったところがありますので、だから青年会議所のメンバーがこの分野について、あるいはザンビアとか一つの小さな地域においてこれを実現するんだという強い決意をもって実行されればできることは確実ですから国連SDGsの2030年目標達成額を、達成の事業を、地域を狭いけれども、ということも日本の青年会議所が中心となって実現したという実績をつくっていかれたらいいと思います。


 もう一つやってるのは、マイクロファイナンスのところでありますけれども貧しい人たちが15歳、16歳、17歳になったとして「何かやりたいの?」と。養鶏場を始めたいとか床屋を始めたいとか農業を始めたいといったときでもお金を借りにいくのは担保が必要です。この担保主義というのは英国銀行法やフランス銀行法といった昔の銀行法の伝統に基づく原則の一つです。
 これがありますと貧しい人たちが自分で事業を始めるといったことはできないので、この銀行法を変えようと思いまして2009年ぐらいからアフリカの19カ国の中央銀行や外務省の幹部の人たちを集めたり大統領や外務大臣にも話しましたけども、すでにでき上がってる人たちが会議だけに出てきて「いいですよ」と言うだけですから30代、40代のほんとにこれができる若い人たちも集まっていかないとこれを変える流れをつくることはできない。
 この報告書はアライアンス・フォーラム財団のAFDP、途上国支援分部門の中で出てますので英語とフランス語で書いています。皆さんもよろしかったらご覧になってこのマイクロファイナンスという考え方をアフリカ、アジア、ラテンアメリカに広げていく流れをつくっていただけることを一緒にやれればと思います。

司会:はい、先生、ありがとうございました。ここで第2問を閉じさせていただきたいと思います。
 それでは、最後の第3問にいかせていただきます。「我々は格差拡大を止めることができるのか?」できると思う方は青の紙をできないと思う方は赤の紙をお願いいたします。

司会:今回は青の紙が目立つようですね。それでは、お一方ずつご意見をお伺いしたいと思いますが、青の紙を上げてくださった方で、理由をお聞かせいただける方、いらっしゃいますでしょうか。 いらっしゃいませんか。ありがとうございます。では、向かって右側の前から4列目の方ですかね、お願いいたします。


来場:
ありがとうございます。大阪の交野青年会議所のワタナベといいます。できる理由というのは特になかったんですけどできると思わないと商売やっていられないなというところでやりたいというそういう感じでした。以上です。

司会:ありがとうございます。それでは難しいな、できないかなと考えられた方の理由もお聞きしたいと思うんですけれども、どなたか、はい、ありがとうございます。右側の2列目の方でしょうかね、お願いいたします。

来場:福岡青年会議所の岡田と申します。できないと思ったのは、今の我々ではということで僕の考え方なんですけど富の総量は一緒なのかなって。一時的に上がったり下がったりするかもしれないですけど平均的な富の総量は一緒なんじゃないのかなという考え方で。今内訳はわかんないですけれども貧困国の人たちが我々と同じ水準の生活をしようとしたときにそれを賄えるだけの食料であったりエネルギーというのが果たしてこの地球上で供給できるのかっていう疑問もありますし、格差をなくすっていうことは下を押し上げるっていうことは上の水準を押し下げることにつながるのかなってなったときに今の我々ではこの生活に慣れてこの水準を落とすってなったときに落とすっていい方が正しいのかどうかわかんないですけどなったときに今の我々には難しいのかな。
 これから10年後、20年後、30年後、40年後、教育から根本的な改正をしてそういう考え方っていう理念っていうものが浸透していったときに初めてできるんじゃないかなと考えています。

司会:ありがとうございます。それでは、もう一方赤を上げられた方でも青を上げられた方でもけっこうですのでご意見をお伺いしたいなと思うのですがどなたか。ありがとうございます。左側の一番前のですね、お願いいたします。

来場:石川県の金沢青年会議所から来ました、カワカミと申します。僕はできるに手を挙げさせていただきまして、今、できるの意見、できないの意見を聞かせていただいたんですけれども僕は日本人だからできることがあるんじゃないかなと思っておりまして。例えば、京都の龍安寺のつくばいにも、「吾唯足知(われただたるをしる)」という言葉が書かれていますけども、資源は限られていますけども、使えば使うほど幸せになるかっていうとそうじゃなくてやっぱり「足知(たるをしる)」という精神がその質的な豊かさみたいなものを我々っていうのは日本人が日本の青年がその考え方を広めることで格差社会を止めることができるのではないかと私は考えております。

司会:ありがとうございます。活発なご意見ありがとうございました。ご意見を発表していただきました3名の方に拍手をお願いいたします。
 ありがとうございます。それでは先生今の3名の方のご意見を踏まえてお願いいたします。

講師:富の総和が増えるのか増えないのかというのは、本当に本質的な問題。これはゲームのやり方によって増えたり減ったりするんですね。先ほどもメイン会場で話したようなゼロサムゲームっていうものは富が増えません。
 こういったときに、100人がいてみんなが1万円ずつお金を持っていてじゃんけんゲームをする。私が勝ったらみなさんの99万円はなくなって私のところに来ますよね。これはゼロサムゲーム。ゲームの理論でこの考え方は要するに投機だとかバブルをつくって崩壊する。こういうゲームを繰り返してるとこのゼロサムゲームから脱却できないので富の総和は増えない。
 それに対してプラスサムゲームっていうのがあるんですね。これは例えば、ここにいる今の金沢の方と福岡の方と私と3人で会社をつくる。そのときにそれぞれ資本金で10万円ずつ入れると。一生懸命働きますけども働いてもどんどんどんどんその価値を会社に渡すけど給料も取らないで一生懸命働きますよね。そうするとその30万円が300万円なり3,000万円になっていく。こういうふうに価値をどんどんつくっていくっていうゲームは時間がかかりますけどもプラスサムゲームという考え方で数学的には証明をされています。
 ですから、時間をかけて新しい価値を生み出していこうということをつくり上げるのに的確な考え方がこういう資本主義でありますけども、金融資本主義とか株主資本主義でもアメリカ型の金融に重視してる人たちがその場ですべてを取ってしまおうという考え方でいきますとこれはゼロサムゲームになってきます。
 こういう考え方ができますと今のじゃんけんゲームを見ても100人全員中産階級で1人のスーパーリッチも貧しいのもいないという状況でもじゃんけんゲームというゼロサムゲームこれはカジノも同様でありますけどもやればやるほど一部の極端なお金持ちと中産階級からどんどんどんどん没落して貧しい層に入っていきます。
 こういう状態が株主資本主義を先行して行っていた英米を中心にすべてそういった考え方がアメリカ、日本にも、ヨーロッパにも、世界中にも広めていこうとやっていたわけですがこういう考え方をグローバリズムといいますね。アメリカにおける株主資本主義やその時間軸が短い金融資本主義を世界に布教しようとその布教するための人員を育成しなきゃいけませんので米国にはハーバードビジネススクール以下ビジネススクールという学校が随分つくられましたよね。
 ですからそういうビジネススクールで勉強した人間が株主資本主義、金融資本主義というものを世界にどんどんどんどんと布教していこうと。昔のキリスト教徒の人たちがラテンアメリカやアジアの国々でキリスト教を布教したようにどんどんどんどんこういった考え方を布教しようとしてきたのが1999年まででした。
 しかし、もうそれでは立ち行かないという事態に今世紀入ってきてるわけであります。生活費を上の人が落とさなきゃいけないのかっていうとそんなことはありません。全体がプラスになっていったらそのスーパーリッチ、1週間ほど前にダボス会議においても初めてこの公益資本主義に関する議論が行われましたけどもそこで生まれてきた問題提起は世界の8人の一番上のお金持ちが世界人口72億人のうちの半分の36億人を占める、36億人と同じだけの富を持っているんだそうです。
 だから8人で36億人分持つようなものがもっともっと極端になってきてそのうちこの英米型の株主資本主義を追求していくと3人で世界の富の70パーセントを持つという方向にどんどん行くでしょう。
 こういう社会っていうのはとてもいい社会だとは思えないと考える人たち、こういった人たちの国づくり、社会づくりの拠りどころとして公益資本主義という考え方は活用できると思います。
 また、グローバリズムというのはもう少し古くをさかのぼってみると、欧州列強の植民地の時代から始まっています。これは第1次世界大戦よりもはるか前。これは、フランスやドイツやイギリスやイタリアやアメリカ合衆国ではありませんけど、ヨーロッパの西欧の列強がアジア、アフリカ、ラテンアメリカを植民地化しそのときには自分たちの考え方、自分たちの制度ですから会社の会社法という制度や会計基準というそういうビジネスに関係したことだけじゃなしに学校の制度ですとか病院の制度だとか医者の免許だとかありとあらゆるものが自国の制度を世界中の国々に対して従わせようと考えたわけです。
 したがってあなたの国はスペイン語を話しなさい、あなたの国はフランス語、あなたの国はイタリア語とやってきたわけでありますけどもその方法としては二つ方法があって一つは圧倒的な物量の違いを見せつけて憧れさせるというやり方。戦後の第二次世界大戦以降に、アメリカ合衆国が日本に対してとったやり方だといっていいと思います。
 もう一つは、従わない国に対して武力を使って従わせる方法。しかし、こういう方法は第一次世界大戦でその植民地の地域が限定されて第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、ヨーロッパの国々が力を落とし最終的には第一次世界大戦以降はフランスとイギリス。そして、第二次世界大戦以降はアメリカとソビエト連邦。ソビエトの崩壊があって現在のアメリカの一極というのが1990年代から続いていますがその米国でさえも圧倒的な力を経済力においても軍事力においても持てるような時代じゃありません。そういう時代に2000年から入ってまいりました。
 ですから、こういった時代の変遷と共に今求められているのはそれぞれの国々の人たちの文化だとか伝統だとか歴史だとか習慣だとか慣習といったものをこれは違うわけですね。その違っているものを尊重するということができる能力を持っている人を世界人国際人と呼ぶ時代に入りました。
 ちょっと前の国際人はアメリカ型の考え方を世界に普及する人たちを国際人と呼んでいました。ですから、これからの国際人の定義を考えた場合には世界にあるいろいろな価値観を許容できる能力。それはどこが持ってるのかっていうと結構日本は可能性が高いなと私は考えています。
 やはり、八百万の神といった万物に命がありそして両親を敬いそして石から、ものから、いろんな針供養の針まで敬うようなものを持っているのは私は日本をおいてあまり世界では例を知りません。
 日本の若い人たちが途上国に出て行きますけども、ヨーロッパ人やアメリカ人が汚いお手洗いを見て全部西洋型のお手洗い西洋式水洗便所に変えたいと思うのに対して、日本の若い人たちは現地の人たちが持っているお手洗いの仕方を清潔にすると。そして、置いてあるいろいろな紙などいろんなものを並べ替えることによって使いやすくするといったことを教えられてないのにやってるのが日本人の若い人たちです。
 これを見ていても、日本のDNAというものは世界でこれから非常に強く必要とされてるものに違いないと感じますので、私はこの格差の問題ということにまた戻りますけどもこのすべてのこの会社というものを成り立たせてくれてる人たちに対して感謝の念をもってその人たちを豊かにするといったことをこつこつと会社が小さいうちから実行していくこの総和が大きな格差をなくしていく原動力になるだろうと考えています。

司会:先生、ありがとうございました。それではここで問題を終了とさせていただきたいと思います。それでは、最後に我々青年経済人が公益資本主義を通じて世界と関わっていくにはどうすればいいのか、そして公益資本主義が目指す未来や民間外交、我々に何ができるのかということを含めて先生に総括をしていただきたいと思います。お願いいたします。

講師:会社は株主のものだというふうに考えてる。それをもっと正確にいうと株券は株主のものなんですが、会社は株主のものではないんです。この辺のところはですね、会社法の権威である早稲田大学の上村先生等々の著書を読まれたらはっきりとわかるでしょう。
 そういったことも一つ頭に入れていただいて公益資本主義というのはこれは哲学ですから、その考え方として私が今日も話を何回も繰り返して話したように皆さんがたがもし会社の経営者または会計事務所や弁護士事務所等の経営者であれば従業員が豊かになるといったことを目指すというのが一番わかりやすくて手っ取り早いことだと思います。そしてその従業員の人たちと共になってその地域の社会や国々を良くしていこうという考え方を実行していくと。
 また、本当にスーパーリッチって誰がなってるのかっていうのをよく考えたらわかると思いますが要するにヘッジファンドだとかIT経営をやってる人たちのベンチャービジネスの人たちだけがいわゆるスーパーリッチになってますよね。よく考えていくと本当に地道にこつこつ働いてる人たちがスーパーリッチになっているのかっていうとそうはなっていないですよ。
 ですから、青年会議所のメンバーとしてこれは日本の国のいろいろな制度改革に来たときにたとえば所得税と収入に関する所得税一般の所得税利子所得税等々を比べると金融に対する課税ははるかに低いですよね。でも所得税は非常に高いでしょ。これはおかしいと思ったらそれを言ってほしいんです。
 会計基準もそうでしょ。もし日本の会社が製造業であったとしたら研究開発をこつこつこつこつとやってくための資金を使っていくと。これは、ある日突然減損会計、時価会計基準によって特別損失になっていく可能性が高いですよね。
 そんな時限爆弾みたいなものをやるよりは、M&Aしかも国際会計基準を使えばのれん代の償却をしなくてもいいと。だから、M&Aという手っ取り早い方法を要するに株主資本主義や金融資本主義の人たちに都合のいいことが世界の標準になってしまっている。
 ですから、こういうふうに考えた場合に地道にこつこつ働いてる人にとって一番ふさわしい制度は、税制においてもまた会計基準においても会社法のいろんなルールにおいてもどうあるべきかっていうのはちょっと考えてみればいくらでもわかることですからそういう疑問を地元の議員やまた役所の人たちの対話の中にも出していっていただければ国は変わっていくと思います。
 公益資本主義の話を今日はさせていただきましたが本当に身近なところから始めていこうといったことでありますので、今日日本国内においてそしてまた海外の途上国においても、実際に実例として何が起きてるかを現場を見にいくというのはとても重要ですからみなさん見にいくことをぜひとも薦めたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

司会:原先生ありがとうございました。早いものでお時間が来てしまいました。原先生本日は貴重なお話をいただきまして本当にありがとうございました。ご来場いただきました皆さまにも公益資本主義と民間外交の重要性にお気付きいただけたことと思います。ご参加本当にありがとうございました。それでは原先生がご退場されます。皆さま、ご起立の上、盛大な拍手で……。

担当:民間外交グループ
   公益資本主義推進会議 議長 五十嵐 悠介