リボ払いで過払い金が返ってくる!?デメリットや条件、過払い金返還請求の流れをチェック

2024.10.04
リボ払いで過払い金が返ってくる!?デメリットや条件、過払い金返還請求の流れをチェック

「過去の借金に関連してお金を取り戻せるケースもある」というCMなどを見て、過払い金があればお金が返ってくる可能性があるという認識を持っている方は多いのではないでしょうか。

実はこの過払い金、クレジットカードのリボ払いでも発生している可能性があります。それは、キャッシングリボの場合です。ショッピングリボでは過払い金は発生しません。

実際に過払い金が発生している場合、もちろん過払い金の返還請求が可能です。過払い金請求でお金が戻ってくる場合、もし他にも借金があれば、返ってきたお金を借金返済に充てることができるため、月々の返済負担が減る=借金減額にも繋がります。

そもそも過払い金とは何で、どのような人に発生しているのか、詳しく解説していきます。具体的な請求方法や、デメリットにも注目してみましょう。

次のようなお悩みや疑問をお持ちの方は要チェックです。

  • リボ払いをしたことがある人は過払い金が返ってくるって聞いたけど本当?
  • 過払い金のCMってなんだか怪しい…過払い金のデメリットが知りたい
  • リボ払いを完済後でも過払い金はあるの?
  • 過去のリボ払いでどれだけ過払い金があるのか計算してみたい

早速見ていきましょう。

過払い金とは何?なぜリボ払いでも発生するの?

過払い金とは、過去の借金返済時に、返済し過ぎたお金のことを言います。

金融業者からお金を借りる際には、金利を明確にした上で、契約を結びます。返済は、その契約通りに行われていくため、「返済し過ぎるわけがない」と思うかもしれません。

しかし、過去の取り引きにおいては、2つの法律の解釈の違いから、グレーゾーン金利と呼ばれるものが発生していました。このグレーゾーン金利こそが、過払い金発生の原因なのです。

出資法の上限金利 → 一律29.2%
利息制限法の上限金利 → 10万円未満…20%
             10万円以上100万円未満…18%
             100万円以上…15%

※利息制限法の上限金利より上で、出資法の上限金利以下が「グレーゾーン金利」

多くの金融業者がグレーゾーン金利での貸し付けを行っていましたが、2006年1月、最高裁が過払い金返還請求を認める判決を出します。

つまり、「契約条件通りに借金を返済していただけ」というケースでも、そもそも契約条件が法律違反であったということ。だからこそ、ごく普通に返済していただけの人にも、過払い金が発生している可能性があるのです。

またこの過払い金は、リボ払いの場合でも発生している可能性があります。

リボ払いとは?
毎月の返済額を一定にできる支払方法のこと。正式名称はリボルビング払いと言う。ショッピングやキャッシングで選択できる返済方法で、クレジットカードの支払いに多い。カードローンの中にも、リボ払いが可能なものもある。

リボ払いには、

  • 定額方式
  • 残高スライド方式
  • 定率方式

の3つの種類がありますが、どの方法を選んだ場合も、利用残高に対して利息が発生しています。

リボ払いの場合、利用金額と返済金額が一致しないため、手数料額がわかりにくい仕組みです。しかし、返済するお金の中には確かに利息が含まれており、だからこそ、過払い金が発生している可能性があるというわけです。

金融業者への過払い金返還請求は、ごく一般的になりましたが、クレジットカード会社に対する請求は見落とされがちです。

利用先がクレジットカード会社であっても、過払い金は過払い金。過去にリボ払いの経験があれば、一度状況をチェックしてみるのがおすすめです。

リボ払いで過払い金が発生するための2つの条件

過去にリボ払いを利用していても、過払い金が発生しているケース・発生していないケースの両方があります。

「自分の場合はどちらなのか?」と疑問に思ったら、以下の2つの条件を確認してみてください。両方当てはまっていたら、過払い金がある可能性が高いと考えられます。

条件①キャッシングリボを利用していること

過払い金が発生するのは、キャッシングリボを利用している場合のみです。

カードローンのリボ払いなら、問題ありません。一方でクレジットカード払いの場合、ショッピングリボでは過払い金は発生しませんので、注意しましょう。

カードローン利用 → 過払い金発生の可能性あり
クレジットカード利用 → キャッシング枠利用で過払い金発生可能性あり
クレジットカード利用 → ショッピング枠利用では過払い金は発生しない

クレジットカードの中には、キャッシングと言って、現金を借りる機能が搭載されているものがあります。過払い金が発生するのは、このキャッシングを利用した場合のみです。

一般的なショッピング利用の場合も、支払い方法としてリボ払いを選択できますが、こちらの場合は過払い金は発生しません。

クレジットカードのショッピング利用に適用されるのは、割賦販売法です。ショッピングリボで支払う手数料は、金利手数料(利息)ではなく、分割手数料に分類されます。よって、グレーゾーン金利や過払い金は関係しません。

クレジットカードの過払い金を確認する場合は、まず、「過去に自分がキャッシング利用しているかどうか?」について、チェックしてみてください。

条件②契約時の金利が利息制限法の上限を超えていること

もう一点重要なポイントになるのが、契約時の金利についてです。

先ほどもお伝えしたとおり、過払い金が発生しているのは、過去の契約がグレーゾーン金利で結ばれている場合です。リボ払いを利用していても、利息制限法の上限金利を守って貸付が行われていた場合、過払い金は発生しません。

契約時の金利が利息制限上の上限を超えていたかどうかは、契約時期からもある程度判断可能です。

最高裁が過払い金返還請求を認めたのが2006年1月のこと。その後2010年6月には、出資法の上限金利が改正され、グレーゾーン金利そのものが撤廃されています。法律改正前の契約であれば、過払い金が発生している可能性があります。

一方で、契約時期が2010年6月以降であれば、過払い金が発生している可能性は低くなります。契約時の金利がよくわからない場合、契約時期にも注目してみてください。

これら2つの条件をクリアしている場合、リボ払いによる過払い金が発生している可能性が高いと考えられます。弁護士など、専門家に相談してみましょう。

また、「条件をクリアできているかどうかわからない」という場合も、一度相談してみるのがおすすめです。過去の情報がはっきりしないのは、当たり前のこと。弁護士や司法書士など、プロの調査によって、事実を明らかにできます。

過払い金が発生している可能性があるクレジットカードとは?

クレジットカードのキャッシング利用で過払い金が発生しているかどうかは、カードの種類からも見分けられる可能性があります。

過払い金が発生している可能性があるカードの例と期間は、以下のとおりです。

クレジットカード名称 可能性がある時期
楽天クレジット
(※楽天カードの前身)
2004年以前にキャッシング利用経験がある
エポスカード 2007年以前にキャッシング利用経験がある
イオンカード 2007年以前にキャッシング利用経験がある
三井住友カード 2005年以前にキャッシング利用経験がある
DCMX
(※dカードの前身)
2007年以前にキャッシング利用経験がある

カードによって利用時期が異なるのは、会社によって上限金利変更時期に違いがあるため。詳細がわからない場合は、具体的な調査をスタートするのがおすすめです。

もちろんこれ以外のカードでも、過払い金が発生している可能性は十分にあります。「もしかして…」と思ったら、簡単にあきらめないことが大切です。

リボ払いの過払い金請求…気になるデメリットと注意点

リボ払いで発生した過払い金は、返還請求の手続きをすることで、取り戻せる可能性があります。

その仕組みから、長期利用になりやすいリボ払い。支払う利息総額も高額になりやすいという特徴があります。つまり、過払い金が発生している場合、まとまった金額を取り戻せる可能性があるという点が、メリットと言えるでしょう。

一方で、過払い金請求する際には、デメリットや注意したいポイントについても無視できません。

その後の生活にどういった影響を及ぼすのかも踏まえて、5つのポイントを解説します。

デメリット①請求先が発行するカードは利用NG

過払い金請求をした場合、該当カードは利用できなくなります。請求された企業は、その情報を社内ブラックに登録するためです。

社内ブラックとは?
金融業者が、独自に保有する顧客情報。過去の取引において、自社に不利益を与えた顧客情報を会社全体で共有し、その後の取引の参考にする。

自身が所有しているカードがストップするのはもちろん、同じ系列の会社が発行するカードについても、利用停止になる可能性が高いです。新たに申し込みをしても、審査段階で却下されてしまうでしょう。

社内ブラックについては、登録基準や登録機関は業者それぞれで異なるもの。明確なルールや基準は存在しません。だからこそ、過払い金請求によって、半永久的にその会社のカードが利用できなくなる可能性も高いです。

とはいえ、社内ブラック情報は、あくまでその企業内でのみ共有されるもの。過払い金請求先以外のカードは、問題なく利用できるので、安心してください。

デメリットが特に大きいのは、クレジットカード会社への過払い金返還請求です。今後利用できなくなっても大丈夫かどうか、慎重に判断しましょう。

デメリット②クレジットカード払いが解除される

過払い金返還請求によってクレジットカード利用が停止されれば、当然クレジットカード払いも解除されてしまいます。

  • 電気
  • 水道
  • ガス
  • 家賃
  • 携帯料金
  • 子どもの習い事代

普段から、何気なくクレジット払いにしている費用は多いもの。カード払いができなくなれば、気付かない間に延滞してしまう可能性もあるでしょう。

過払い金返還請求を行う場合は、あらかじめ支払い方法を変更しておく必要があります。支払先が多いほど、変更の手間は増えてしまいます。

デメリット③クレジットカードのポイントが消えてしまう

クレジットカードのメリットの一つは、利用時に付与されるポイントです。

うまく貯めればお得なポイント。しかしクレジットカードの利用が停止された段階で、付与されていたポイントはすべて無効になってしまいます。

クレジットカード会社に対して過払い金返還請求を行う場合は、ポイントを使い切ってから手続きするよう注意してください。

デメリット④ブラックリストに載る可能性がある

過払い金返還請求を行う場合、請求する人の条件によっては、信用情報機関に事故情報が登録される可能性があります。

信用情報機関とは、クレジットやローンに関する顧客情報を取りまとめている機関のこと。加盟先企業からの問い合わせに対して、該当する顧客のデータを提供しています。

この信用情報機関に事故情報が登録されることを、ブラックリストと言い、今後のクレジットやローンに関わる行動を、制限される恐れがあります。

社内ブラックの場合、影響を与えるのは請求先1社のみ。しかし信用情報機関のブラックリストに登録されてしまうと、その機関に加盟している企業すべてで、クレジット利用やローン契約が難しくなってしまうのです。

ただし、過払い金返還請求がきっかけでブラックリストに登録されるのは、以下のケースに限られています。

過払い金でカードの利用残高を完済できない場合
(※キャッシング利用、ショッピング利用含む)

過払い金で完済できなかった場合、任意整理として扱われてしまうため、事故情報登録の対象となってしまうのです。

つまり、以下のようなケースでは、信用情報機関のブラックリストに登録されることはありません。

  • 完済済みのキャッシングリボの過払い金返還請求を行う場合
  • 現在も返済中だが、返還された過払い金で完済できる場合

こちらの場合も社内ブラックには登録されてしまいますが、信用情報機関のブラックリストと比較すると、その影響は極めて限定的です。

ブラックリストによるデメリットを最小限にするためには、自身の借金の状況を正しく把握しておく必要があるでしょう。

デメリット⑤過払い金が発生していても請求できないケースもある

過払い金返還請求のデメリット、最後の一つは請求できないケースについてです。

過去のリボ払いで過払い金が発生していたとしても、残念ながら取り戻せない場合もあります。この場合、残念ながら諦めるしかないでしょう。

過払い金があるにも関わらず、請求できないケースは以下の2パターンです。

  • 最後の取引から10年以上が経過している
  • 請求先の会社が、すでに倒産している

過払い金には時効があり、「最後の取引から10年」と定められています。時効を迎えた分は、残念ながら請求できません。

また請求先がすでに存在していない場合も、過払い金は取り戻せないのです。

ただしどちらのケースにおいても、素人には判断が難しいポイントが多いのも事実。自分では無理と諦めていても、専門家が可能と判断する場合もあります。

【複数回キャッシングを利用していた場合】
グレーゾーン金利で複数回お金を借りていた場合、連続した取引と判断される可能性があります。最初の完済から10年以上経過していても、その後の取引との連続が認められることで、「時効は成立していない」と判断されるケースもあります。
【請求先企業が吸収合併されている場合】
過去に利用した会社が残っていなくても、別の企業に吸収合併されている可能性があります。この場合、合併先企業に対して、過払い金の請求が可能です。

過払い金請求が可能かどうかは、専門家でも判断が難しいケースが少なくありません。自分で安易に判断するのではなく、まずは一度相談してみてください。

リボ払いの過払い金請求はどうやる?流れと方法

「過払い金が発生している可能性がある」となれば、気になるのが具体的な請求方法についてです。

過払い金は、過去に支払い過ぎた自分自身のお金です。いったいどうすれば、手元に取り戻すことができるのでしょうか。具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 過去の取引履歴の取り寄せ
  2. 引き直し計算
  3. 債権者との交渉
  4. (訴訟の提起)
  5. 和解

過払い金返還請求するためには、まず「過払い金がいくら発生しているのか?」を明らかにする必要があります。

そのために必要なのが「取引履歴」であり、それをもとに行うのが「引き直し計算」です。取引履歴は過去の取引の詳細が記された書類で、請求先業者が保管しています。

自分で手続きをする場合、対象の業者に連絡して、「取引履歴がほしい」と伝えてください。所定の手続きを踏んで、必要な書類を手に入れましょう。

業者によっては、「どのような目的で使用するのか?」と問われるケースもありますが、わざわざ「過払い金返還請求のため」と伝える必要はありません。「取引内容を知りたいから」とだけ回答すれば十分です。

取引履歴が手元に届いたら、法定金利で返済した場合との差額を計算しましょう。これが引き直し計算で、過払い金額を算出できます。

過払い金額がはっきりしたら、業者に対して請求書を送付。請求内容に基づき、双方が話し合いを行い、和解の上で過払い金が支払われます。

交渉で和解できなかった場合は、訴訟となります。両者の言い分をもとに、裁判所が判断を下すことになるでしょう。

過払い金返還請求にかかる期間は、大体3~6ヶ月ほどです。訴訟になった場合、さらに時間がかかり、6ヶ月~1年程度が目安となります。

過払い金返還請求は自分で?それとも専門家?

過払い金返還請求は、自分で行う方法と専門家に依頼する方法があります。どちらを選べば良いか悩んだときは、双方のメリット・デメリットに注目するのがおすすめです。

【自分で手続きする場合のメリット】

  • 専門家を探す手間や時間が発生しない
  • 弁護士や司法書士に支払う報酬がない

【自分で手続きする場合のデメリット】

  • 業者側に相手にされない可能性がある
  • 手続き期間が長引く恐れがある
  • 取り戻せる過払い金が少なくなる恐れがある

専門家に支払う報酬金額は、決して少なくありません。「それを節約できるなら…」という思いで、自力で手続きする方もいますが、デメリットもあります。

先ほどもお伝えしたとおり、過払い金を返還してもらうためには、業者側とのやり取り・交渉が必要です。法律知識がないと、相手にとって良い条件で話をまとめられてしまう可能性があるでしょう。

また自分で手続きする場合、引き直し計算についても、当然自分で行うことになります。

非常に複雑で間違えやすい引き直し計算。計算結果を間違えていると、返還請求そのものを、業者から跳ねのけられてしまう恐れもあるのです。

【弁護士や司法書士に相談するメリット】

  • 手続きのすべてをお任せできる
  • 家族に内緒で手続きできる可能性が高まる
  • 過払い金返還請求のために、ストレスを抱える必要がない
  • 経験豊富な専門家に依頼すれば、最大限の成果が見込める

【弁護士や司法書士に相談するデメリット】

  • 報酬を支払わなくてはならない
  • どの事務所に依頼すれば良いのか、悩みがち
  • 相談に行くのが面倒

一方で、専門家に依頼する場合、自力手続きのデメリットの多くは解消できるでしょう。業者側との交渉は、すべてお任せでき、訴訟になった場合も安心です。

デメリットで気になるのは、やはりお金について。ただし過払い金返還請求については、「着手金無料」「成功報酬のみ」といった条件を提示しているところも多いです。

取り戻せる過払い金が多ければ多いほど、弁護士事務所・司法書士事務所は儲かる仕組みになっているので、安心しておまかせできます。

依頼するならどこがおすすめ?おすすめ事務所5つ

専門家に依頼する場合のデメリットの一つが、「どこに依頼すれば良いのかわからない」という点です。

過払い金返還請求に強い事務所は、以下の5つです。

  • 弁護士法人・響
  • 天音総合法律事務所
  • ベリーベスト法律事務所
  • みつ葉グループ
  • サンク総合法律事務所

どの事務所も、相談は無料で受け付けてもらえます。また弁護士法人響やサンク総合法律事務所は、初期費用も無料です。

みつ葉グループは司法書士法人で、弁護士事務所よりも報酬額が安く抑えられる可能性があります。

ただし司法書士が対応できるのは、1件当たり「140万円以下」のケースのみです。金額が大きくなると予想される場合は、最初から弁護士事務所に相談するのがおすすめです。

過去のリボ払いについても過払い金を見直してみよう

過去にキャッシングリボを利用した経験がある方にとっても、過払い金は他人事ではありません。実際に、100万円以上のお金を取り戻した方もいますから、まずは状況確認からスタートしてみてください。

インターネット上には、過払い金無料診断ツールも多く公開されています。手軽に利用できるので、ぜひ活用してみてください。

ただし無料診断ツールだけでは、情報が不足してしまうケースもあります。特に現在も借金返済中の方は、

  • いくら借金が減額できるのか?
  • 過払い金返還請求によって、借金を完済できるのか?

によって、今後の流れや生活が、大きく変わってくるでしょう。

借金減額シミュレーターを活用したり、一歩踏み込んで弁護士事務所の無料相談を活用したりするのがおすすめです。

弁護士事務所や司法書士事務所の無料相談は、メールで受け付けてくれるところも少なくありません。まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。